あなたは知っていますか?腸と脳のアメリカの最新医療の考え!今、私たち日本人が気づくべきヒントがある。
この40年の間でアメリカの医療の常識が変わったといいます。
40年前といえば1970年~1980年くらいです。ベトナム戦争が終結し、映画『スターウォーズ』初期シリーズが上映されたあたりですね。昔と言っても、そんなに大昔の話でもありません。
では、いったい何が変わったのでしょうか?
それは、人体にたいする考えが変わったとのこと。
具体的にいうと、1970年以前のアメリカの医師たちは、人体を”複雑な機械”としてとらえていたといいます。

「この人体という名の機械は、正しく燃料を与え、十分なメンテナンスを続ければ75年は動く」と、いう風に機械的に身体をみていました。
「定期的な検査をして、病気を予防できる」
「薬外や手術は、不慮の事故による負傷、感染症、心臓発作などの突発性の病気に対処できるツールである」と考えられていたのです。
これらが全てにおいては対処できないということに気づいたというのです。
それは、何故か?
どんなに医学が発達しても、治せない病気が次々と登場します。ライフスタイルの影響としか考えられない病(肥満やうつ病など)には機械を調整するようにはいかないということ気づいたからだといいます。
それから40年かけてわかったこととして、急激に変わる外部環境に脳と身体を適用させるための複雑な調整機能が人体にはあり、各部位が独立してではなく、ひとつの全体のまとまりとして働いていて、摂食・代謝・体重・免役、脳の発達や健康まで関係しているのだと。
そして、腸内に住む大量の微生物が出すシグナルがこの人体の調整機能に大きな役割を果たしていると。

では、この人体の調整機能をアメリカの医学が100%理解したかというと、まだ研究途中であるといいます。現代の科学でもわからないほど人体は複雑なのです。
ここ数年でわかったことの一つを紹介すると、腸と脳はお互いに情報交換しているということ。今までは脳が司令塔で腸に指示していると考えられたのが、腸から脳に指示を出すこともあることは科学的に証明されているといいます。
この現代科学でも100%理解していないという事実が、すぐに正しい答えを求める癖がついた私たち日本人にはとても大切で、健康に関して正解を導きだすということは簡単ではないということです。つまりテレビや書籍、ネットには答えはないということ。
ですので、「これを食べたら身体によい」とか「この薬を飲めば治る」という情報は、インチキとは言えないにしても、一部の人にはあてはまっても、すべての人にはあてはまらないということです。万能薬はないということ。
日本のテレビや雑誌では、このインチキまがいなことを大学教授や医者がもっともらしく言って、健康を商売の道具、ビジネスにしているのが今の日本の現状だと言えます。アメリカの医療業界にとって日本は良いお客さんなので、本当のことは伝えないのではと疑念をいだいています。
その結果、日本の医学界は40年以上前のアメリカの医師のような人体を機械的に考えているよう感じられます。
人体は複雑な動きをするわけで、生活環境・ストレス・遺伝の情報などなど人によって違ってきます。身体の声、とりわけ腸や胃の耳にかたむけて、食事や薬を摂ることが大切です。
あと、どっちが正しいかという二元論で考える人がいるので付け加えると、わたしは医学を完全に否定しているわけではありません。検査・薬・手術は必要です。それはある程度は必要ということで、まずは身体のことも考えてみようということです。
身体の声を聞かずに、大学の教授や医者のいう通りに信じてしまうこと、薬や医学に過度に頼ることが危険だと思うのです。
今の日本は西洋の人々以上に西洋医学を信じている傾向があります。ドイツでは自然療法などが国レベルで取り入れてますが、日本では科学を否定するオカルト的とみなす人もまだいるようにみえます。

私が20年ほど前にデンマークで生活して、医療関して感じたことがあります。
それは、デンマークの医療は日本に負けないくらい発達した医療先進国なのに、国民はめった病院には行かないという日本との国民性の違い。怪我をして病院にいっても薬は最低限のものしか処方されないということでした。
これはカルチャーショックでした。
デンマークの人の多くは、風邪くらいなら、お腹にやさしいものを食べて安静にしているだけでした。これを知った当時は、「医者に行けばいいのに」と疑問に感じたのですが、今は日本の方が、異常ではないかと感じています。
今回のコロナ騒動で、デンマークは国民が普段あまり医療を使わないから、すぐにPCR検査を実施したり、コロナに感性した場合の迅速な入院が可能となっています。

その一方で、日本は感染者が欧米にくらべて多くないのに医療がひっ迫しているのは、必要以上に国民が病院を利用し、医療側は人間ドックや延命治療、薬の投与に必要以上の力を入れて、感染症にたいして注意を払ってこなかったことが証明しています。
現在の医療体制は縮小などはせず、余裕をもたせることが感染症などの緊急時のために必要です。私たちの態度として普段から病院・医者・薬に頼るのではなく、自分の身体の声に耳を傾ける習慣を身につける必要があります。
もっと感性を豊かにして、自分自身の身体は自分で管理できるよういなる日本人が増えることを願っています。
【参考文献】
『腸と脳 体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』
エメラン・メイヤー著 高橋洋訳 (紀伊国屋書店)